春は出会いと別れの季節。
大学進学や就職で、恋人と離れ離れになってしまい、遠距離恋愛を選択する人も多いと思います。
僕たちもそうでした。
僕とともみさんは地元愛媛の高校の同級生で、ともみさんは地元の大学へ、僕が名古屋の大学へ進学したため、愛媛⇔名古屋で遠距離恋愛になりました。
そして、大学5年+大学院2年の計7年間の遠恋を経験し、それを乗り越え、今年無事に結婚する運びになりました。
今日は、そんな僕たちから、これから遠恋を始める皆さんへのアドバイスを書きたいと思います。
最初に言っておきますが、遠距離恋愛はつらいです。
そんなことわかってるよ!という声が聞こえてきそうですが、「どうつらいのか」「どう対処すればよいのか」という"現実"をまだよくわかっていないと思います。
だから今日は、僕たちが遠恋と向き合って何を感じたか、どう乗り越えたのか。
それを知ってもらって、その漠然とした不安を「やる気」と「覚悟」へと変えてもらえればと思います。
※もちろん「僕たちはこうだった」というひとつの体験談なので、これは絶対ではなく、参考になるところだけ参考にしてくださいね。
遠恋はなぜつらい?
一般的に遠距離恋愛の成功率は20%程度だそうです。
なぜ遠恋は難しいのでしょうか。
それはずばり、「会えないから」に他なりません。
そりゃそうだろって感じですが、これが本当につらいです。
わかっていてもつらい。
寂しさも、ささいなケンカも、気持ちが離れそうになるのも、会って笑顔で話せれば全部吹き飛ぶのになぁ、って場面に何度も遭遇します。
「遠恋への対策」というのはつまるところ、「会えないつらさにどう打ち勝つのか」に尽きます。
そして、そこで一番大事になるのは「この人と一緒にいたいんだ!」という強い気持ちです。
会えないつらさというのは相当なもので、遠恋中は「本当にこんなつらい思いをしてまでこの人と一緒になりたいのか」と自問自答を繰り返す日々になります。
そこで「この人と一緒にいたい気持ち」が勝つことで遠恋は続いていくのです。
とはいえ、気持ちだけではどうにもならない部分があるのも事実。
気持ちが途切れないように工夫が必要です。
そこで、これから「遠恋を成就させるためにやるべき3つのこと」についてお話しします。
遠恋を成就させるためにやるべき3つのこと
①「ゴール設定」をしよう
42.195kmもあるフルマラソンを、人はなぜ走りきることができるのでしょう。
それは「ゴール」があるからだと思います。
どこまで走ればよいのかわからなければ、人は走り続けることができません。
ゴールが決まっているから、つらくとも頑張れるのです。
遠恋というつらく険しい道のりにも、同様に「ゴール」が必要です。
「こうなったら遠恋が終わる」という「ゴール」が。
そしてこれが、ふたりの心の拠り所になります。
実際、僕たちもゴールを決めました。
僕が愛媛から名古屋へ飛び立つ日。
飛行場で、「大学4年間が終わったら結婚しようね」と言い合いました。
結局、留年してしまったり大学院に進学したりで7年間になってしまったけれど、それでも乗り越えられたのはこのゴールがいつも心にあったから。
18歳のガキんちょが結婚だなんて全く現実的に考えていたわけではありませんでしたが、そんな言葉でも"すがれる"ものがあると違います。
同じ未来を思い描き、一緒に歩んでいく。
これがナチュラルにできるのは遠距離恋愛の良いところです。
ふたりに相応しいゴールを、ふたりで描いてみてください。
②「会う」ことを最優先にしよう
どれだけ「この人と一緒にいたい」という強い気持ちを持っていても、やはり会えないというのは寂しくつらいものです。
気持ちの下降は避けられません。
遠恋中の気持ちのイメージとしては、「会えない間に下降していき、会うと回復する」イメージです。
基本的に、相手への気持ちは「会うことによって」しか上昇しません。
「もう限界!」となるラインを下回らないように、定期的に会って気持ちの回復をする必要があります。
もちろん、会うことは大変です。
お金も時間もかかります。体力も使います。
それでも、「できる限り」で良いので会いましょう。
それくらい会うことは本当に大事です。
僕たちの場合は、愛媛⇔名古屋間の深夜バスが往復2万円で、1,2か月に1度は会うようにしていました。
最初の頃はお金もなく苦しかったですが、来てもらった方がデート代を出すなど工夫していました。
また長期休みは丸1か月以上実家の愛媛に帰省するようにしていました。
そのために、大学生活においてたくさんできないことがありました。
長期のバイト・・・半期に一度1か月空けるのでできない
友達と旅行 ・・・帰省してるから行けない
サークル活動・・・不参加イベントが多く、気まずくて辞める
かなりいろいろな犠牲のもとに僕たちの「会う」は実現していたことが分かります。
でも、僕たちにとっては「会う」ことがなによりも優先で、幸せなことでした。
だから後悔はありません。
なにを優先するか決めるということは、なにを優先しないか(=捨てるか)決めるということです。
「その人と一緒にいる」ことが自分にとって大事だと思うなら、ぜひ「会う」ことを最優先にしていただきたいなと思います。
③「ビデオ通話」をしよう
3つ目は普段の連絡についてです。
「普段の連絡」の役割は「会えない間の気持ちの下降を緩やかにする」こと。
気持ちが途切れないために、とても大事なことです。
連絡手段としては、定番ですがやはりビデオ通話がおすすめです。
相手との距離を最も近く感じることができると思います。
遠距離恋愛が始まった大学1年生のとき、僕たちの連絡手段は「電話」だったのですが、本当につらかったです。全然寂しさが紛れない。
申し訳程度に自撮り写メを送りあう日々。
そんなある日、革命が起きました。
ともみさんがカメラ付きノートPCを買ったので、ビデオ通話ができるようになったのです。
これがもう電話と歴然の差。寂しさの紛れる度合いが段違いです。
やっぱり顔を見ながら話せるのは大きいです。
表情もわかるし、好きな人の顔が見れるのは単純に嬉しい。
僕たちの場合、用事がない日は基本毎日つないでいました。
1回2,3時間、長いと6時間以上つないでたこともあります。
といっても、ずっと喋っているわけではなくて、つないでいるだけでお互い全然別のことをしていることもあります。
音声電話と違ってずっと喋ってなくても良いから気も楽です。
お酒が飲める歳になったら、画面越しにふたりで乾杯するのもオススメですよ。
遠距離恋愛ならではの良いところとして、遠恋でないカップルに比べてお互いのことをより深く理解できることが挙げられると思います。
メインのコミュニケーションがこの夜の通話になるので、本当にたくさんのことを話します。そのため、必然的に深い話や内面的な話をすることが多くなるんですね。
これを機会に、なんでも言い合える関係性を築くのが良いと思います。
好きだって気持ちも、不安な気持ちも、他愛ない話も、全部言い合って受け止めあう。
そうやってふたりの絆をゆっくり育んでいきましょう。
「話す」機会がたくさんとれるという面では、遠距離恋愛もそれほど悪くないものですよ。
遠恋FAQ
ここでは、遠恋について疑問に思われるであろうことを質問形式で答えていきます。
遠距離恋愛を続けるためのコツはある?
心がけていたことのひとつに、「向こうで自分の知らないコミュニティを持つことを尊重する」ことが挙げられます。
言い換えると、「干渉」しすぎないことが大事です。
当然ですが、こっちにもこっちの生活があり、相手には相手の生活があります。
「意識の中心」はあなたであっても、「生活の中心」はあなたがいる場所ではなく向こうの地です。
相手は離れた場所で、自分の全く知らない人たちとコミュニティを築いていきます。
どんな人がいるのか、どんな生活をしているのか。
気になるし不安になる場面も当然出てきます。
でも気にしすぎない。神経質な詮索などはしないようにしましょう。
毎晩通話する時間をとるだけでもなかなか大変なことです。
それだけで十分自分のことを思ってくれているはずですから。
それ以外の時間は、ある程度お互いの自由にまかせましょう。
相手の向こうでの生活を尊重し、相手を信頼する。
自分もこっちでの生活を楽しむことが大事です。
普段の連絡の頻度は?
先述の通り、ビデオ通話は毎日していました。
でもLINEはあまりしていません。業務連絡メイン。
基本的に、あまり頻繁にLINEで連絡をとりあうのはオススメしません。
「これから××で◯◯するよ!」
「△△と◆◆中!」
このような連絡をしょっちゅうしていると、数年ある遠恋では絶対バテます。
そのうち連絡が億劫になってきて、連絡がイヤになっただけなのに、相手のことがイヤになった気になります。
あくまで送りたくなったときに送りましょう。
どれだけLINEでコミュニケーションをとっても、寂しさが埋まることはありません。
やはり、会えない時のベストはビデオ通話です。
夜の通話を目指して一日を過ごし、日中に話題を溜めておいて、夜にたくさん話すスタイルが良いのではないかと思います。
浮気が心配なときはどうしてた?
浮気は心配ですよね。本当に分かります。
必殺の対処法を教えますね。
それは「気にしない」ことです。
え?なにそれ、って思われるかもしれませんが、これが唯一の対処法です。
サークルだろうが夜飲み会だろうが、放っておきましょう。
「楽しんでね~」って気持ちで送り出す。
大事なことは、「自分が束縛しないと浮気するような人ならそれまでだ」ということです。
本当に大切だと思ってくれているならそんなことはしないはず。
自分が監視しておかないと浮気するような人なら、遠恋が終わった後もずっと続けなければいけませんよね。
そういう人をはやめに見つけて切るためにも放っておきましょう。
自分の仕事は普段の関係性づくりだけであって、浮気をするかしないかは自分の問題じゃなく、「相手の問題」です。
遠恋はメンタルゲーなので、余計な心配はやめましょう。
心配は、しようと思えばいくらでもできます。
今頃なにをしていて、夜はどこに行ってる。
具体的に知れば知るほど、悪い想像も具体的になっていきます。
知ってもろくなことはありません。
遠恋においては「会えないときは、相手のことをあまり考えないようにする」ことが、実戦的に大切な戦略になると思います。
離れている相手のことは大切だと思いつつも、気にしないようにうまく意識の隅に追いやって、こっちでの生活をエンジョイする。
そういう「気持ちの切り替え」が重要になってきます。
寂しいときにはどうしてた?
これも「あまり考えないように」していました。
人によっては、写真を見返したりして、どっぷり相手との思い出に浸りながら寂しさを埋める人もいます。
でも結局寂しいんですよね。
相手のことを思った瞬間に、どうしてもすぐに会えない寂しさが襲ってきます。
僕は普段の生活において、恋愛を連想するものは遠ざけてました。
友達と恋バナはしないし、テラスハウスも見ないし、西野カナも聴かない。
恋人のことを考えるのは、夜の通話中と会える時だけです。
寂しさを埋めてくれるくらい、こっちでの生活を楽しむことが大事。
会える日の一週間くらい前になったら、カウントダウンしながら頑張りましょう。
ただし、あんまり前からカウントダウンしてるとつらいので、一週間くらい前まではしない方が吉です。
遠恋解消の時の気持ちは?
遠恋がスタートしたとき、遠恋が終わる4年後のことが本当に果てしなく感じていました。(結局7年間になりましたが...)
全く想像つかなくて、本当にそんな日がくるのだろうかと気が遠くなる日々。
そんな中で一日一日をふたりで積み重ねていきました。
でも遠恋7年目、残り一年になったころ、「終わり」が明確に見えてきたんです。
あの瞬間が一番嬉しかった。
例えるなら、長い長いトンネルを抜けたような感じです。
「あー本当に終わりがあったんだ。」とホッとしました。
でも遠恋が解消する瞬間は、新生活や就職、卒業旅行の準備でかなりバタバタしており、全然嬉しさを感じる間もありませんでしたね(笑)
生まれ変わってももう一度遠恋したい?
この記事を書くにあたって、「なぜ自分たちは続いたと思うか」のような質問リストを作って、ふたりでそれに答えていきました。
その中にこの質問があり、ふたりの答えは一致していました。
「絶対したくない!」、と。
こんなに長々と遠恋について語ってきたのに。。。
でも7年もやってきたからこそ、こんなつらい思いはもうしたくないと強く思います。
ふたりの絆は強くなったけど、それなら近くで7年過ごした方が良いです。
高校生の僕たちは、大学を「彼氏/彼女と同じところに行きたいから」という理由で決めるのはナシだと思っていました。
「そんなことは良くない」という意識があり、ハナから考えもしなかった。
でも、そうしておけば良かったなと思います。
例え「途中で別れるリスク」があるとしても。
遠恋のせいで出来ないこと、我慢したことがいっぱいありました。
それに比べたらマシだと思います。
もし遠恋を終わらせる手段がなにかあるのなら、少し無理をしてでも、終わらせる価値はあると思います。
これが、7年遠恋してきた僕たちの結論です。
そしてそれが難しいなら、この記事で書いてきたことを参考にして、頑張っていただければ嬉しいなと思います。
まとめ
遠恋には相手を思う強い気持ちが必要です。
ふたりの思いが同じ方向に向いていなければいけません。
会えないことは本当につらく、たくさんの試練が与えられます。
でもそうやって遠恋を乗り越えた先には、普通のカップルでは得られない強い絆が育まれているはずです。
今日の記事を参考にして、ふたりで歩んでみてください。
最後に言いたいことは、「遠距離恋愛をする」という決断をしたあなたは素晴らしい、ということ。
その勇気と相手を大切に思う気持ちは称賛されるべきものです。
厳しい内容で不安にさせたかもしれませんが、同じ経験者として、あなたたちのことを応援しています!
おわり