めおとつーりんぐ

自転車世界一周を目指す「まこと」と「ともみ」の夫婦ブログ

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抑圧された「お金」への感情

 

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こんばんは。まことです。

今更ながら、佐藤航陽さんの『お金2.0』を読み進めています。

「お金ってなんなんだろう」 というすごく漠然とした疑問にはっきりした輪郭与えてくれるよう な、そんな本です。


この本を読み始めたのは、ベストセラーになったから教養として、 というのももちろんあるのですが、僕は最近、特にこの「お金」 というジャンルにすごく興味関心があるからです。


というのも、 僕はあまりにお金のことを知らなすぎるなと最近になって思うので す。

知らない理由は「今まであまり考えてこなかったから」です。


いや、考えないようにしていました。

お金に無頓着なほうがカッコいい。

そういう意識がありました。

 


こう思うようになったのは小学生のとき。

僕の家は決して裕福ではない家庭でした。 とはいっても貧乏なわけではなく、食べるのには不自由しませんでしたし、それなりに遊びに連れて行ってもらいました。 家は一軒家でしたし、ゲーム機もありました。 友達と遊びにいくといえば困らない程度のお小遣いをくれました。


でもそれでも、やっぱり友達の中にはすごく裕福な人もいて、それと比べてしまいます。


夏休みやお盆には毎回海外旅行へ行き、お家へ遊びに行けば庭のすごく広い三階建てで、新しいゲーム機が出ればすぐに買ってもらって、中高大学と進学するのは私立で。


いつもいつもそういう友達の話を持ち出して、「僕もやりたい、 僕も欲しい」と両親に言っていました。


でも、"考慮の余地なく"突っぱねられるんですよね。

幼心の無邪気な欲求は、両親から冷たく一蹴されます。いろんなことに親身になってくれる両親なのに、お金がかかる問題になると、途端にこちらに寄り添うことなく否定される。


いつもいつも、ショックでした。

「よそはよそ、うちはうち」と月並みな台詞を言われたこともありますが、納得がいきません。


"どうして僕だけ我慢しなきゃいけないの?"

"生まれる家は選べないじゃないか"

人生始まった瞬間から不公平で、自分は不利益を享受する側だという事実。それが悔しくて悲しくかった。


そうやって繰り返すうちに僕も大きくなり、 だんだん家の経済状況を把握してきました。同時に" これはきっと頼んでも無理だ" というラインがわかるようになってきました。

 


僕は、 自分の家が裕福じゃないという現実から目を背けることにしました 。

その方法は、「手に入らないものは本当に自分の欲しいものじゃない」 と思うこと。

イソップの「酸っぱい葡萄」と一緒です。


最新のゲーム機は別にまだ欲しくない。前の世代ので満足だし、まだソフトが充実していない。しばらくして値下がりしたら買ってもらおう。

友達がたくさんいるから公立中に進学する。 私立に行く奴らはなんで友達と離れてまで行きたいんだろう。 受験とかどうせ高校行くときするじゃんあほらしい。

海外旅行なんて興味ない。大人になってから行けばいい。

理系だったら私立より国公立大学の方が賢い。 私立とか落ちた人の受け皿でしょ。


手に入らないものを頭ごなしに否定し、大して調べもせずにそれと決別する。

そういう人生を送ってきました。


家の経済格差を見せつけられる場面でも気にしないように振舞って いましたし、お金に困っている様子を絶対に誰にも見られたくなかった。

また次第にお金そのものにも無頓着に振舞うようになっていました 。


大学に入ってもそれは続きます。


通帳を記帳せず、収入と支出を管理することをしない。「今月やべー」とか死んでも人に言わない。

旅行先でいくら使ったか気にしない。そんなの気にしてちゃ楽しい機会を逃しちゃう。

初任給で就職先を決める人を見下す。お金しか尺度がないなんて。


お金のことを極力気にせずに生きているうちに、 本当に興味関心も薄れてきていました。

 


そうやって出来上がったのが、「お金が大事な世界で生きているのに、お金のことを何も知らない大人」。


そんな大人も、いつの間にか大学院を卒業し、 社会に放り出されていました。


否が応でもお金というものを考えずにはいられないほど、 お金に触れる機会が増えました。


もう親の仕送りもありませんし、 とりあえずお金が稼がなきゃ生きていけない。

会社ってお金を稼ぐことが目的の組織だよな。 どうやってお金が回ってるんだろう?

なんでウチの商品は売れてるんだろう。 お客さんは何に価値を感じているんだ?

この世界は資本主義。 言葉ではわかっていても実態が全然わかってないな。


そうしているうちに気付きました。

"やべ、お金のことなんもわかってねぇ。"

 


前回の記事にも書きましたが、 僕は自分の生まれたこの世界のことをできる限り知りたいと思っています。


でも、この生まれついた資本主義社会のこと、お金のこと、 何も知らない。

全部考えないように生きてしまっていた。


幼いころの自分が、自分を守るために、 抑圧していた「お金への関心」があることに気が付きました。


もう、解放してもいいでしょう。

生まれの差も受け入れられるくらいの年齢には充分なりました。

 


これに気づいてからは、なるべく本を読んだり、 日頃の経済や世界の状況を気にかけ自分なりに考えるようにしてい ます。今回の本も勉強のひとつ。


もともと色んなものの「仕組み」を知ることが好きです。

運動方程式やエネルギー保存則など、 とても明快にこの世の物理現象の「仕組み」 を説明してくれる物理が大好きで、大学は物理学専攻でした。

経済もお金を中心に社会の流れの「仕組み」 を説明するものですよね。


これからも経済についてお金について、学び続け考え続け、 自分の生きているこの社会について理解を深めていきたいと思って います。


おしまい